オウンドメディアは本当に成果につながるのか――。そうした疑問を持つ方にとって、freeeの「経営ハッカー」は重要な示唆を与える事例です。
本記事では、freeeのオウンドメディアがどのように立ち上がり、リード獲得施策として成長し、そして役割を変えていったのかを解説します。
事業フェーズごとに変化するオウンドメディアの役割や、成功のために必要な考え方についても分かりやすく紹介します。
freeeの「経営ハッカー」とは?オウンドメディアの代表事例
「経営ハッカー」は、クラウド会計ソフトを提供するfreeeが運営していたオウンドメディアです。主に個人事業主や中小企業向けに、経理・会計・会社設立などに関する実務的な情報を発信していました。
SaaS企業におけるオウンドメディアの成功事例として知られており、多くのマーケターに参考にされています。
freeeがオウンドメディアに注力した背景
freeeは、個人事業主やスモールビジネスを主なターゲットとして成長してきました。そのため1契約あたりの単価が低く、営業人員を多く配置するモデルではなく、マーケティングによって効率的に顧客獲得を行う必要がありました。
こうした背景から、検索流入を軸にリードを獲得できるオウンドメディアが重要な施策として位置づけられていました。
【フェーズ別】経営ハッカーの変遷と役割の変化
経営ハッカーは、事業の成長とともに役割を大きく変えてきました。
初期は情報発信を中心としたメディアでしたが、成長期にはリード獲得を担うマーケティングチャネルへと進化します。その後、事業戦略の変化に伴い、現在では更新が停止されるなど、役割自体が縮小しています。
このように、オウンドメディアは事業フェーズによって役割が変わる典型的な例といえます。
初期:価値提供を目的とした情報発信メディア
立ち上げ当初は、創業者自身の経験をもとに、会社設立や経理に関する課題を解決する情報を発信していました。
目的はリード獲得ではなく、「スモールビジネスの支援」という理念の実現です。
そのため、シンプルなブログ形式で、ユーザーにとって有益なコンテンツ提供に注力していました。
成長期:リード獲得を強化したマーケティング施策
事業が成長するにつれて、経営ハッカーはリード獲得の役割を担うようになります。
具体的には、資料ダウンロードやサービスへの導線(CTA)を増やし、記事から問い合わせや登録につなげる設計へと変化しました。
このフェーズでは、SEOによる集客とコンバージョンの最大化が重要なテーマとなっていました。
転換期:CTA削減と役割の再定義
2019年頃から、経営ハッカーではCTAが大幅に削減され、サービスへの導線もほとんど見られなくなりました。
さらに現在では記事更新も停止しており、リード獲得チャネルとしての役割は事実上終了しています。
これは単なる縮小ではなく、事業戦略に応じた役割の再定義と考えられます。
なぜCTAを廃止したのか?3つの仮説
CTA削減の背景には、主に3つの要因が考えられます。
1つ目は、認知拡大によりリードの質を重視する段階に移行したこと。
2つ目は、既存ユーザーの利便性を高めるために不要な導線を排除したこと。
3つ目は、中堅・大企業向けの営業強化に伴い、マーケティング施策の優先度が変わったことです。
特に3つ目の戦略転換が大きな要因と考えられます。
オウンドメディアの役割は事業フェーズで変わる
この事例から分かるのは、オウンドメディアの役割は固定ではないという点です。
事業の成長段階に応じて、
- 認知獲得
- リード獲得
- 顧客支援
など、担う役割は柔軟に変化します。
そのため、自社のフェーズに合った目的設計が不可欠です。
成功するオウンドメディアの共通点
成果を出しているオウンドメディアには共通点があります。
それは、事業目標から逆算した明確なKPI設計と、経営レイヤーの強いコミットメントです。
特に「誰にどんな価値を届けるのか」を明確にし、継続的に質の高いコンテンツを発信できる体制が重要です。
まとめ|オウンドメディアは継続が成果を分ける施策
オウンドメディアは、短期間で成果が出る施策ではありません。SEOを軸とする場合、効果が現れるまでに半年〜1年以上かかることも一般的です。そのため、途中でやめてしまう企業も少なくありません。
しかし、継続すれば長期的に大きな成果を生む可能性があります。継続こそが成功の分かれ道といえるでしょう。
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