新規ドメインは、SEOの世界ではどうしても不利です。ドメインの信頼も実績もゼロから始まり、記事数も少ない。検索上位を狙うには、普通なら時間も本数も必要になります。
今回紹介する事例は、DIY関連商材のメーカーが立ち上げたECサイトで、たった50記事で月10万PVに到達し、売上まで伸ばしたというもの。ポイントは「記事をたくさん書く」ではなく、勝ち筋のある戦略設計に集中したことでした。
なぜ「闇雲な記事量産」は再現性が低いのか
SEOは積み上げ型の施策ですが、量で押し切る方法は体力勝負になりがちです。
とにかく記事を増やす戦略は、うまくいけば伸びます。ただ、実務でぶつかるのは「コスト」と「継続性」です。制作費・編集工数・専門監修などを考えると、初期から大量投下できる企業は限られます。
今回の事例が示しているのは、記事数より前に、どこで勝てるかを見極めないと、努力が拡散してしまうということです。
量産が生みやすい3つの詰まりどころ
記事が増えるほど、運用はむしろ難しくなります。テーマが散り、品質が揺れ、後から直す範囲が爆発するからです。さらに「検索意図と売上の距離」が遠い記事が増えると、PVは伸びても事業成果につながりにくくなります。
だからこそ「チャネル選定」が最初の勝負になる
この案件では、集客チャネルを冷静に整理しています。広告は競合が強く、資産性も低い。SNSは商材ターゲットが年配層で相性が薄い。結果として、SEOに集中する判断が合理的だった、という流れです。
新規ドメインの壁をどう超えたのか
新規ドメインは、検索エンジンから見れば「実績のないサイト」です。
一般的に、上位表示にはドメインの信頼性(ドメインレート)と、一定量のコンテンツ蓄積が求められます。新規ドメインはその両方が不足するため、戦い方を間違えると消耗します。
この事例がうまくいったのは、ここを精神論で乗り切らず、勝てる前提がある領域に絞って設計したからでした。
ドメインレートとコンテンツ数の不足は「前提条件」
努力で埋められる要素はありますが、短期で覆すのは難しい領域です。だからこそ、序盤は「ドメインが弱くても勝ちやすい場所」から攻める必要がある、という整理になります。
伸びた理由は「勝ち筋」を見つけたから
今回の核心はここです。競合が強い中でも、検索結果の構造を観察すると、ユーザーの不満が残っている領域が見つかる。そこに対して、サイト構造そのものを武器にして勝ちにいった、という考え方です。
勝ち筋は「メディア型」と「モール型」の隙間にあった
この戦略の面白い点は、検索結果の上位にいるサイトの“弱点”を、構造で埋めにいったところです。
狙いたいキーワードを調べると、上位に多いのは購入できない「メディア型サイト」。一方、購入できるサイトは楽天・Amazonなどの「モール型」。どちらも強い一方で、ユーザー体験の穴が残っていました。
そこで「記事で理解させ、同じサイト内で購入まで完結させる」形が、勝ち筋になり得ると判断します。
メディア型上位のキーワードは「購入まで完結しない」
買いたい気持ちで検索したのに、記事を読んでもその場で買えない。結果として別サイトへ移動し、比較し直し、買うまでに手間がかかる。ここに対して、EC機能があるサイトは、検索意図の完結度で優位性を取りやすい、という発想です。
モール型上位のキーワードは「選び方・比較が弱い」
モールは商品数が多い反面、「どう選べばいいか」「何が違うか」の情報設計が弱くなりがちです。ユーザーが迷っている初期段階では、商品一覧だけでは判断できません。だからこそ、解説記事で意思決定を支援できるサイトが刺さる余地があります。
実施したSEO戦略は3つだけ
ここからが実務的なポイントです。やったことは多くなく、むしろ「やることを絞っている」印象です。
50記事で伸ばすために、検索意図の強さと、ドメインを育てる導線をセットで設計しています。
最重要キーワードはトップページで取りにいく
トップページは被リンクが集まりやすく、紹介されやすい。つまり、ドメインの信頼性を押し上げる起点になりやすい場所です。ここで最重要キーワードを取りにいくことで、SEOの土台強化と流入獲得を同時に狙う設計になっています。
まずはBuyクエリを優先し、売上と成果を早く作る
最初に狙ったのは、購入意図が強いキーワード群。上位を取れれば売上につながりやすく、社内の納得も得やすい。結果として、SEOが“先の話”ではなく、事業として前に進められる状態を作れます。
Buyで取れたテーマを起点にKnowクエリへ展開する
Buyで上位が取れると、その周辺で関連テーマを広げやすくなります。そこで次に、選び方や種類などの情報系キーワード(Know)を取りにいき、アクセスの母数を増やす。
この順番が、最短でPVを伸ばしやすい構造になっています。
新規ドメインで大事なのは「記事の質」より「勝てる設計」
この章は、動画の結論に近い部分です。もちろん記事の質は大事です。ただ、質の改善は世の中にノウハウが多く、学べる手段も豊富です。
一方で、より難しいのは「そもそも勝てる場所を選べているか」。戦う市場、狙うクエリ、サイト構造、導線設計。ここを間違えると、質が高くても伸びにくい。
だからこそ新規ドメインでは、リサーチから「競合の穴」を見つけ、勝ち筋のある形を最初に作ることが重要だと強調されています。
リサーチで見るべきは「検索結果の構造」と「未充足の意図」
誰が上位にいるかだけでなく、なぜ上位なのか、ユーザーの行動がどこで止まっているかを見る。メディア型とモール型の間にある“不便さ”を見つけられるかが、戦略の分かれ目です。
自力で難しい部分ほど、外部の視点が効く
勝ち筋の設計は、主観で走るとズレやすい領域です。市場の見立てや競合調査を、第三者視点でフラットに検証できるかが、立ち上げの再現性に直結します。
SEO戦略設計なら株式会社PENGINにお任せください!
新規ドメインのSEOは、記事の量や気合いよりも、最初の戦略設計で成果が大きく変わります。PENGINはリサーチから勝ち筋を見極め、施策の実行〜改善まで伴走するマーケティング実行集団です。
PENGINへのご依頼は、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。