この記事の監修者

鈴木 将太 |CMO

大手メーカーでの企画職や個人事業の経験を持つ。現在は大手企業からベンチャー企業まで、幅広い企業のマーケティング伴走支援やWebディレクションを担当。
BtoBマーケティングを幅広く網羅し、サイト設計に深い理解を持つ。トレンドを取り入れたデザインから業界特化型のデザインまで柔軟に対応しています。

ChatGPTやGoogleのAI Overviews、AIモードで自社が挙がらない、という相談が増えています。対策として語られるものの多くは、特定のファイルを置くといった手法に寄っています。

ただ、AIが回答を作るときに拾うのは「誰が言ったか」より「何を根拠にそう言えるか」です。この記事では、LLMOやAIOと呼ばれる対策を、情報設計の側から整理します。

この記事はAI各社の内部処理を解説するものではありません。公開されている仕様と、PENGINが自社サイトで運用してきた経験からの整理です。

AI検索で変わることと、変わらないこと

AI検索で変わることと変わらないことを2列で比較した図
AI検索で変わること・変わらないこと(PENGIN整理)

流入の起き方と引用のされ方は変わります。一方で、比較・判断に必要な情報の中身は変わりません。費用の考え方、対応範囲、事例、進め方は、検索でもAI検索でも同じく求められます。

クリックされずに読まれる分、書き方が効く

AIの回答に引用される場合、ページ全体ではなく特定の1〜2文が使われます。条件と結論がひとつの文に収まっていない書き方は、切り出して使いにくくなります。

「場合によります」で終えず、「◯◯のときは△△」と条件つきで言い切るほうが引用されやすくなります。

流入がどう変わったかの診断はAI Overviewsでアクセスが減った?、Google AIモードの扱いはGoogle AIモードでSEOはどう変わる?で解説しています。

比較候補に入るための4要素

AI検索で比較候補に入るための4要素を中心と4方向で示した図。一次情報・比較情報・判断軸・外部からの言及
比較候補に入るための4要素(PENGIN整理)

1. 一次情報

自社で取った数値、検証した結果、うまくいかなかった記録です。他社が書き写せない内容なので、そのまま引用の根拠になります。

完璧である必要はありません。集計の条件と、何が分かって何が分かっていないかを書いておけば、一次情報として成立します。

2. 比較情報

選択肢を並べ、それぞれの向き不向きを書きます。自社が向かないケースも書いてあるページのほうが、比較の材料として使われます。

3. 判断軸

「何を基準に選べばよいか」です。選択肢の列挙で終わらず、どの条件ならどれを選ぶかまで書きます。

4. 外部からの言及

他社メディアでの紹介、登壇、調査での引用など、自社サイトの外にある根拠です。自社サイト内だけで完結していると、裏づけが自己申告になります。

4つのうち、欠けているものから着手する

すべてを同時に進める必要はありません。自社のページを見て、1つも該当がない要素から埋めます。多くの場合、最初に足りないのは一次情報です。

BtoB企業が最初にやること

  1. 自社が挙がってほしい質問を10個書き出す:検索キーワードではなく、相談時に実際に聞かれる質問の形で
  2. その質問をAIに投げて、現状の回答を記録する:どこが挙がっているか、どのページが引用されているか
  3. 引用されている他社のページを見る:何が書いてあるから使われているのかを確認する
  4. 自社に無い要素を特定する:一次情報・比較情報・判断軸・外部言及のどれが欠けているか
  5. 1つ埋めて、同じ質問で再度確認する:変化が出るまで数週間かかるため、記録を残しておく

この5つは、ツールを導入しなくても始められます。体制や計測まで含めた進め方はLLMOとは?BtoB企業が優先したい情報整備と効果測定にまとめています。

外注を検討する場合は、LLMO対策の費用の見方で、診断・設計・実装のどこまで依頼するかを整理できます。

先にやらなくてよいこと

llms.txt のようなファイル設置は、効果が確認できていない段階のものです。検証の経緯はllms.txtの効果は確認できた?過去の検証と現在の判断で公開しています。置くこと自体の害は小さいものの、これを先にやっても順位も引用も動きません。

先に埋めるべきは、費用・対応範囲・事例・進め方といった比較検討で必要になる情報のほうです。

BtoBでは、AIに挙がっただけでは終わらない

AIの回答に自社が挙がっても、そのあと担当者はサイトを見に来ます。そこで費用感や対応範囲が分からなければ、そこで止まります。

さらにBtoBでは、担当者が社内で説明して合意を取る過程があります。段階と関わる人の整理はBtoBの購買プロセス、社内で使える材料の作り方はBtoBのコンテンツマーケティングで解説しています。

サイト側の受け皿が整っているかはBtoBサイト改善の進め方、検索面の設計はBtoBのSEO|商談までの距離で設計するを確認してください。

効果をどう測るか

見るもの確認の仕方注意
AI経由の流入GA4で参照元を ChatGPT・Perplexity 等で分けて見るセッション数は小さく出る。件数より推移で見る
AIの回答に挙がるか決めた質問を定期的に投げて記録する回答は毎回変わる。1回の結果で判断しない
指名検索GSCで自社名を含むクエリの表示回数AIで知られると指名検索が増えることがある
商談数流入経路別の問い合わせと、その商談化率最終的にはここで判断する

露出そのものは目的ではありません。どの単位で指標を分けるかはBtoBマーケティングのKPI設計にまとめています。

AI検索の対策でよくあるのは、サーバー側でAIのクローラーを遮断したまま「対策」を進めてしまうケースです。レンタルサーバーの設定でGPTBotやClaudeBot等が一括でブロックされていることがあるため、着手前に自社サーバーの設定を確認してください。

依頼先ごとの支援内容や計測方法を比べるときは、LLMO対策会社の比較・選び方もご確認ください。

AI検索の対策でよくある質問

Q.LLMOとAIO、SEOは何が違いますか?

A.

LLMOは大規模言語モデルに向けた最適化、AIOはAIによる検索回答に向けた最適化を指す文脈で使われますが、定義は定まっていません。実務上やることは大きく重なります。言葉の区別よりも、比較・判断に必要な情報が自社サイトに揃っているかを先に確認してください。

Q.llms.txt は設置すべきですか?

A.

設置しても順位や引用が動くという確認はできていません。置くこと自体の害は小さいため否定はしませんが、優先度は高くありません。先に一次情報と比較情報を整えることをおすすめします。

Q.AI検索で流入は減りますか?

A.

クリックを伴わない閲覧が増えるため、表示回数に対するクリック率は下がる傾向があります。ただし減った流入の中身を見ると、発注を検討していない層が多い場合もあります。流入数の増減ではなく、問い合わせと商談の増減で判断してください。

Q.何ヶ月くらいで変化が出ますか?

A.

一次情報を追加してからAIの回答に反映されるまでには時間がかかり、反映されたあとも回答は毎回変わります。月に1回、決めた質問で記録を取り、数ヶ月の推移で見ることをおすすめします。

Q.BtoBでもAI検索の対策は必要ですか?

A.

検討の初期段階で使われ始めています。ただしBtoBでは、AIで候補を知ったあとにサイトを確認し、社内で合意を取る過程が残ります。AI対策だけを進めても、サイト側に費用や事例がなければ止まります。

まとめ|対策は小細工ではなく、判断材料をそろえること

  1. 変わるのは流入と引用のされ方。必要な情報の中身は変わらない
  2. 一次情報・比較情報・判断軸・外部言及の4つで、欠けているものから埋める
  3. 自社が挙がってほしい質問を決め、現状を記録してから着手する
  4. ファイル設置などの手法より、費用・対応範囲・事例を先に整える
  5. 露出ではなく、問い合わせと商談数で判断する

自社がAI検索でどう挙がっているかの確認から始めたい場合は、AI検索での見え方診断から始められるAI検索最適化(LLMO)支援をご覧ください。

「AIで自社が挙がらない」「何から手を付ければよいか分からない」という場合は、PENGINのBtoBマーケティング伴走支援をご覧ください。

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