「記事を増やしているのに問い合わせが来ない」という相談をよくいただきます。原因は記事の量ではなく、狙っているキーワードが商談から遠いことと、読んだあとの行き先が用意されていないことのどちらかであることがほとんどです。
この記事では、BtoBのSEOを記事数ではなく「商談までの距離」から設計する方法を解説します。
BtoBマーケティング全体の中でのSEOの位置づけはBtoBマーケティングとはとBtoBマーケティングの手法、検討段階ごとのコンテンツ設計はBtoBのコンテンツマーケティングにまとめています。
BtoBのSEOは、一般的なSEOと前提が違う

読んだ人が、そのまま決めるわけではない
BtoBでは、記事を読んだ担当者が社内で説明し、上長や決裁者の合意を取る過程があります。そのため記事には、読者を納得させるだけでなく読者が社内で使える材料が求められます。関わる人と段階の整理はBtoBの購買プロセスで解説しています。
検索ボリュームの大きさは、優先度の根拠にならない
「◯◯とは」のような語は検索数が大きい一方、まだ発注を検討していない層が中心です。BtoBは検討期間が長く、単価も高いため、月10回しか検索されないキーワードでも商談につながることがあります。
キーワードを「商談までの距離」で並べる

検索数の大きい左から書き始めると、流入は増えても問い合わせは増えません。商談に近い右側から着手し、そこが埋まってから左へ広げます。
問い合わせに近い5つのキーワードタイプ
優先して対策すべきキーワードは、次の5つに整理できます。いずれも「発注を検討している人」が使う語です。
| タイプ | 例 | この語で来る人の状態 |
|---|---|---|
| 費用・料金 | SEO支援 費用/SEO代行 料金 | 予算を確認している。社内で金額を説明する必要がある |
| 比較 | SEO会社 比較/SEO会社 おすすめ | 候補を絞っている。比較軸を探している |
| 選び方 | SEO会社 選び方 | 何を基準に選べばよいか分かっていない |
| 外注・代行 | SEO 外注/SEO 代行 | 自社では回らないと判断済み |
| 事例・実績 | SEO改善 事例 | 自社でも成立するかを確かめている |
自社の強みが活きる領域と掛け合わせて、どのタイプから着手するかを決めます。
検索数がゼロでも、問い合わせが出るキーワードがある
ツール上の検索ボリュームが0と表示されても、実際には検索されている語があります。特定の業種名や、社内特有の言い回しと組み合わせた語がこれに当たります。競合が対策していないため、上位に入りやすい領域でもあります。
キーワード候補の3つの探し方
1. 競合が獲得している顕在層キーワードを調べる
検索結果の上位3〜5社をリストアップし、Ahrefsやラッコキーワードなどのツールでどのキーワードを取っているかを確認します。キーワードプランナーと組み合わせると、前述の5タイプに該当する語を効率よく抽出できます。
2. すでに問い合わせが出ている記事を分析する
GA4でランディングページ別のコンバージョン数を確認し、問い合わせにつながっているページとキーワードを特定します。そこから「比較」「選び方」「相場」など周辺の語へ広げます。計測の設定はGA4でCVRを計測する設定を参照してください。
流入の多い記事と、問い合わせにつながっている記事は一致しないことがほとんどです。PENGINでも、流入の多い記事が必ずしも問い合わせにつながっていないことがありました。
3. 商談・相談で出た質問を記録する
実際に顧客から聞かれた質問や、問い合わせ前にどう調べたかをヒアリングしておくと、ツールでは出てこない語が見つかります。商談の冒頭で「どうやって当社を見つけましたか」「何と検索しましたか」と聞くだけでも蓄積できます。
記事だけで完結させない
キーワードが適切でも、読んだあとの行き先がなければ問い合わせは発生しません。
検討段階に合わせてCTAを変える
| 記事の段階 | 置くCTA | 理由 |
|---|---|---|
| 費用・比較・選び方・外注 | 無料相談・見積もり依頼 | すでに発注を検討している |
| 事例 | サービス資料・事例集 | 社内で共有する材料を探している |
| 方法・やり方 | 実務資料のダウンロード | まだ自社でやろうとしている段階 |
| ◯◯とは | 関連記事への内部リンク | この段階で問い合わせは起きにくい |
CTAの具体的な置き方はSEO記事のCTA設計、接点ごとに商談化率がどう変わるかはBtoBのリード獲得にまとめています。
着地するサービスページ側も見る
記事からサービスページへ送っても、そこで止まっていることがあります。記事側だけを直しても問い合わせが増えない場合は、BtoBサイト改善の進め方を確認してください。
公開後に見る指標と、効果の判断
- 記事別の表示回数と順位:検索面に乗ったかどうか
- 記事別のCV数:流入ではなく、そこから何件問い合わせがあったか
- フォーム到達率:記事からフォームまで進んでいるか
- 商談数:CV数 × 商談化率。ここまで見ないと事業の判断はできない
目標値の置き方と、分けて見るべき単位はBtoBマーケティングのKPI設計で解説しています。
サイト全体の変動で補正する
記事の公開前後を比べるとき、サイト全体が落ちている時期であれば「横ばい」でも実質はプラスです。逆に全体が伸びている時期の微増は評価できません。
記事単体の増減だけでなく、同じ期間のサイト全体の増減を差し引いて判断します。前後比較だけでは施策の効果だと確定はできないため、季節要因や他施策が同時に走っていないかもあわせて確認します。
判断を急がない
BtoBのページは月に数クリックということが珍しくありません。母数が少ない状態での短期間の上下は偶然の影響を強く受けます。表示回数が十分に出るまでは、順位とクエリの中身で見ます。
PENGIN自身がSEOで失敗したこと
自社のBtoBマーケティングでの失敗はBtoBマーケティングでPENGINが実際にやってしまった失敗で公開しています。SEOに関わる要点は次の2つです。
- 対象を絞らずに記事を広げた:誰に向けるかを決めないまま領域を広げ、どの語でも中途半端になった
- やめる条件を決めずに走らせた:成果が出ないときに「もう少し続ける」という判断を繰り返した
記事を書き始める前に、次の3つを決めておきます。
- どんな企業・担当者からの問い合わせが欲しいか
- その人たちが何を調べるか
- いつまでに何がなければ、着手する領域を変えるか
BtoBのSEOでよくある質問
-
Q.BtoBのSEOは何記事くらい必要ですか?
-
Q.成果が出るまでどれくらいかかりますか?
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Q.検索ボリュームが小さいキーワードでも対策する意味はありますか?
-
Q.SEOの知見がない社内でも運用できますか?
-
Q.AI検索が増えるとSEOは不要になりますか?
まとめ|記事を増やす前に、商談までの距離を確認する
- キーワードを「商談までの距離」で並べ、近いものから着手する
- 費用・比較・選び方・外注・事例の5タイプに受け皿があるか確認する
- 検討段階に合わせてCTAを変え、着地するページ側も見る
- 流入ではなく記事別のCV数、さらに商談数まで見る
- サイト全体の変動を差し引いて判断し、母数が少ないうちは急がない
PENGINでは、キーワード調査から施策の実行支援まで、月額5万円のプランからご対応しています。「自社のボトルネックがどこにあるか確認したい」という方には、無料での調査もお受けしています。
「記事は増えているのに問い合わせが増えない」という場合は、PENGINのSEO支援をご覧ください。