BtoBサイトリニューアルの進め方|成果につなげる判断基準と7ステップ

BtoBサイトリニューアルの進め方|成果につなげる判断基準と7ステップ

この記事の監修者

鈴木 将太 |CMO

大手メーカーでの企画職や個人事業の経験を持つ。現在は大手企業からベンチャー企業まで、幅広い企業のマーケティング伴走支援やWebディレクションを担当。
BtoBマーケティングを幅広く網羅し、サイト設計に深い理解を持つ。トレンドを取り入れたデザインから業界特化型のデザインまで柔軟に対応しています。

BtoBサイトのリニューアルは、単に古くなったデザインを新しくする仕事ではありません。

事業内容、顧客の比較行動、営業プロセス、検索環境が変われば、Webサイトに求められる役割も変わります。さらに現在は、顧客がWebサイトを直接訪れるだけでなく、生成AIが企業やサービスを比較・推薦する際に公式サイトの情報を参照する場面も増えています。

この記事の結論
BtoBサイトリニューアルで最初に考えるべきなのは「どんなデザインにするか」ではなく、現在の事業・顧客・営業プロセスに対して、Webサイトは何を担うべきかです。また、全面リニューアルが常に正解とは限りません。部分改修、CVR改善、コンテンツ追加、CMS刷新の方が合理的な場合もあります。

PENGINでは、BtoBサイトを「問い合わせを獲得する箱」ではなく、人とAIの双方に、比較・判断に必要な公式情報を提供する情報基盤として捉えています。

BtoBサイト制作そのものについては、BtoBサイト制作サービスも参考にしてください。

作り直す前に、どのページが不足しているかを確認する場合はBtoBサイトに必要なページ|検討段階から逆算して構成を決めるをご覧ください。

リニューアルにいくらかかるのか、費用が何で変わるのかはサイトリニューアルの費用相場|料金の内訳と予算別にできることを解説で、PENGINの料金を公開したうえで解説しています。

まず確認|BtoBサイトは本当に全面リニューアルすべきか

「サイトが古い」「問い合わせが少ない」という理由だけで、全面リニューアルを決める必要はありません。

重要なのは、現在のボトルネックがどこにあるかです。

主な状態優先しやすい対応
デザインだけ古いが、構造・CMS・SEOに大きな問題がない部分改修・デザイン刷新
アクセスはあるが問い合わせにつながらないCVR改善・導線・CTA・フォーム改善
比較に必要な情報や実績が不足しているコンテンツ強化
事業・サービス・ターゲットが大きく変わった全面リニューアルを検討
CMSが使いづらい・技術負債が大きいCMS・システム刷新を検討
URL・カテゴリ構造が複雑でSEO資産が分散している情報設計・SEO構造を含むリニューアル

特に既存サイトに検索流入や被リンクが蓄積している場合、全面リニューアルにはリスクもあります。URL変更やコンテンツ削除によって、それまで蓄積したSEO評価を失う可能性があるためです。

そのため、「リニューアルしたい」ではなく「何を改善したいのか」から考えることが重要です。

アクセスはあるのに問い合わせが増えない場合の切り分けは、CVR改善の進め方で整理しています。

BtoBに限らない、コーポレートサイトリニューアル全体の流れ(目的の整理から公開後の運用まで)は、コーポレートサイトリニューアルの7つのステップで解説しています。

BtoBサイトリニューアルで最初に決めるべき「サイトの役割」

BtoBサイトの役割は、問い合わせ獲得だけではありません。主な役割は次の通りです。

  • 会社・サービスへの信頼をつくる
  • 「本当にこの会社へ相談して大丈夫か」という不安を減らす
  • 営業担当と話す前に比較検討できる情報を提供する
  • 社内稟議や上司への説明に使える材料を提供する
  • 見込み顧客が自社を候補に入れるための接点をつくる
  • 生成AIが企業・サービスを比較・推薦する際に参照できる公式情報源になる

OpenAIは、公開WebサイトがChatGPT検索に表示される可能性があり、OAI-SearchBotがアクセスできるサイトはコンテンツを発見・表示・引用しやすくなると案内しています。またGoogleも、生成AI機能において従来のSEOベストプラクティスが引き続き重要であり、独自性や専門性のある非コモディティな情報を重視する方針を示しています。

そのため現在のBtoBサイトでは、「人が直接訪問したときに分かりやすい」だけでなく、「AIが企業を理解・比較するときに、正確な一次情報を取得できる」ことも重要です。

BtoBサイトリニューアルを成果につなげる7ステップ

1. 目的と制約を確認する

BtoBサイトリニューアルの際によくある目的の悪い例。デザインを刷新したい、アクセスを増やしたい、古い情報を刷新したいという手段の話ではなく、お問い合わせ増加、採用問い合わせの増加、特定事業の問い合わせ増加といった事業上の目的まで言語化する必要があることを示した図。

「デザインを刷新したい」「アクセスを増やしたい」「古い情報を新しくしたい」は、目的ではなく手段です。その先にある事業上の目的まで言語化します。

最初に、なぜサイトを見直すのかを整理します。たとえば、

  • 問い合わせを増やしたい
  • 採用を強化したい
  • 新サービスを正しく伝えたい
  • 営業資料だけでは説明しきれない
  • SEOを強化したい
  • 生成AI上で正しく理解・推薦される情報源を整えたい
  • 社内で更新できるCMSに変えたい

など、目的は企業によって異なります。

この段階で重要なのは、社外秘情報まで無理に開示してもらうことではありません。ターゲット、商材、営業プロセス、よくある問い合わせ、受注・失注理由など、分かる範囲の情報からサイトの役割を整理するだけでも十分に検討は進められます。

2. 顧客が「誰で、なぜ買うのか」を理解する

次に、サイトを見る相手と、購入理由を整理します。理想的には顧客インタビューが有効ですが、必ず実施できるとは限りません。その場合は、

  • 営業担当へのヒアリング
  • 商談でよく出る質問
  • 問い合わせ内容
  • 受注・失注理由
  • 提案資料
  • 営業資料
  • サポート問い合わせ

などから代替できます。

重要なのは、ペルソナ資料を作ることではなく、実際の顧客が何を比較し、何を不安に感じ、なぜ買うのかを理解することです。

3. 既存サイトと市場データを分析する

既存サイトにGA4やSearch Consoleが導入されていれば、アクセス、検索クエリ、CV、CVR、流入ページなどを確認します。

一方、計測環境が整っていない企業も珍しくありません。その場合でも、

  • AhrefsなどのサードパーティSEOツール
  • 検索結果
  • 競合サイト
  • 被リンク情報
  • 検索需要
  • 公開されている業界情報

などから一定の推計・分析は可能です。なお、サードパーティツールの数値は推計値であり、GA4やSearch Consoleの実測値と完全に同等ではありません。

「データがないから分析できない」ではなく、取得可能なデータを組み合わせて仮説を作ることが重要です。

4. ボトルネックを特定する

分析したら、現在の問題を特定します。たとえば、

  • そもそもサイトに人が来ていない
  • アクセスはあるがサービスページへ進まない
  • サービス内容が分かりづらい
  • 実績が弱く比較時に選ばれない
  • 問い合わせフォームのハードルが高い
  • 検索では見つかるがAI上で企業情報が十分に理解されていない
  • 営業がWebサイトを説明材料として使いにくい

などです。ボトルネックが分かれば、「全面リニューアルすべきか」「部分改善で十分か」も判断しやすくなります。

5. 情報設計・コンテンツを設計する

BtoBサイトでは、ページ数を増やすこと自体が目的ではありません。顧客が比較・判断するために必要な情報を整理します。代表的には、

  • 会社情報
  • サービス詳細
  • 対応範囲
  • 強み・選ばれる理由
  • 実績・導入事例
  • 料金・費用の考え方
  • 導入までの流れ
  • FAQ
  • 顧客の課題別コンテンツ
  • 専門家・担当者情報
  • 独自調査・一次情報

などです。

特にAI時代は、サービス名だけでなく、「誰に向いているか」「何を解決できるか」「どんな成果があるか」「他の選択肢と何が違うか」を明示することが重要です。

見た目の方向性を決める段階の考え方は、BtoBサイトのデザインで解説しています。

6. 制作と同時にSEO移行・計測設計を進める

リニューアルでは、公開直前にSEOを確認するのでは遅い場合があります。設計段階から、

  • 既存URLを維持するページ
  • 統合・削除するページ
  • 301リダイレクト
  • canonical
  • 内部リンク
  • title / meta
  • 構造化データ
  • XMLサイトマップ
  • GA4 / Search Console
  • GTM・広告計測タグ
  • CV計測
  • フォーム
  • Cookie / Consent設定(利用している場合)

などを整理します。特に、既存URLから新URLへ変更する場合は、SEO資産を失わない移行設計が重要です。

7. 公開後に検証・改善する

リニューアルは公開がゴールではありません。公開後は、

  • 検索順位・流入
  • サービスページ閲覧
  • CVR
  • 問い合わせ内容
  • 商談化
  • AI経由流入
  • 営業からのフィードバック

などを確認します。

想定した成果が出ない場合は、デザインを再修正する前に、どの段階でユーザーが止まっているかを確認します。

AI時代のBtoBサイトで強化したい情報

AI検索が普及しても、BtoBサイトが不要になるわけではありません。

Googleの生成AI検索は検索インデックス上のWebページを根拠として活用し、ChatGPT検索でも公開Webサイトが検索結果に表示・引用される可能性があります。そのため、自社について正確に参照できる公式情報をWeb上に整備しておく重要性は高まっています。

ただし、特定の情報を掲載すれば生成AIでの推薦・引用が保証されるわけではありません。GoogleもOpenAIも掲載・上位表示を保証していません。

サービスの具体情報

抽象的なキャッチコピーだけでは、顧客にもAIにも違いが分かりません。支援対象、対応範囲、課題、進め方などを具体化します。

実績・導入事例

「何ができる会社か」を最も具体的に示せる情報です。相談背景、施策、成果まで記載すると、企業の専門領域が理解されやすくなります。

PENGINの実績・事例一覧では、制作だけでなくSEOやマーケティング支援の成果も公開しています。

料金・比較材料

料金を完全公開できない場合でも、価格帯、料金が変わる条件、プランの違いなどを示すことで、顧客が比較しやすくなります。

一次情報・専門家情報

独自調査、実案件から得た知見、担当者の専門性などは、他社と同じ一般論との差別化になります。

PENGINでは、一次調査や研究資料を自由帳へ蓄積しています。

BtoBサイトリニューアルで失敗しやすいパターン

見た目の刷新から始める

「古いから今っぽくする」だけでは、成果につながるとは限りません。デザインは目的ではなく、役割を実現するための手段です。

取得できるデータを使わない

GA4やSearch Consoleがなくても、外部ツールや競合調査で補える情報はあります。計測環境がないことを理由に、現状分析を飛ばさないことが重要です。

顧客インタビューができないと顧客理解を諦める

顧客インタビューは有効ですが必須ではありません。営業担当、問い合わせ、商談、受注・失注情報など、社内に存在する顧客接点も重要な情報源です。

公開をゴールにする

公開後にCVRや問い合わせ内容を見て改善できる運用体制まで含めて設計します。

SEO移行を後回しにする

URL変更・削除・統合を制作後半で考えると、既存検索流入を失うリスクがあります。

制作とマーケティングを分断する

サイト制作チームがデザインだけを担当し、SEO・広告・CVR・営業との接続を別々に考えると、部分最適になりやすくなります。

PENGINのBtoBサイトリニューアル事例

PENGINでは、BtoB企業のコーポレートサイト・サービスサイト・採用サイトなどを支援しています。サイト制作だけでなく、公開後のSEO、CVR改善、広告、コンテンツ制作などまで一貫して支援できることが特徴です。

BtoBサイトのリニューアルを相談したい場合は、サイトリニューアルのページで支援内容と進め方をご紹介しています。事業領域の変化に合わせてサイトを刷新した例として、東洋加工様の事例もあわせてご覧ください。

自社以外の事例も含めて広く見比べたい場合は、BtoBサイトの成功事例もあわせてご覧ください。

事例1:サービスLPの構成とCTAを見直し、問い合わせ数が増加|株式会社Pro-D-use様

株式会社Pro-D-use様のコーポレートサイト

経営コンサルティング会社・株式会社Pro-D-use様は「サイト全体やブログからのCVRを高めたい」という課題を抱えていました。

PENGINは、要件を丁寧に整理し、サービスLPの構成最適化やCTA(行動喚起ボタン)の徹底強化など、課題に即したロジカルな改善施策を提案・実装しました。

その結果、お問い合わせ数はリニューアル後に120%へ増加(20%増)しています。

提案から実行まで一貫して伴走する点をご評価いただきました。

関連記事|株式会社Pro-D-use様 LP改善 インタビュー

事例2:営業活用とデータベース機能を拡充|ダイナミック企画株式会社様

ダイナミック企画株式会社様のコーポレートサイト

ダイナミック企画株式会社様は、「旧サイトのデザインやコンテンツ管理が使いづらい」「スマホ非対応」「営業現場で活用しにくい」といった悩みを抱えていました。

PENGINは、ヒアリングを通じてキャラクターや作品が一目で分かりやすく、印象に残るようなサイトへと刷新。作品一覧をわかりやすく掲載することで、営業現場でも資料作成や社内共有がしやすくなり、結果的に一覧がデータベースのような役割も果たす形となりました。

これにより、「見せる」だけでなく「使える」実用性を兼ね備えたWebサイトとして生まれ変わり、営業活動にも活かされています。

関連記事|ダイナミック企画株式会社様 コーポレートサイトリニューアル インタビュー

事例3:信頼構築とブランド再定義を実現|株式会社AdOps様

株式会社AdOps様のコーポレートサイト

株式会社AdOps様は、「事業成長にともなって既存サイトのコンテンツと実態の乖離が大きくなっている」というご課題をお持ちでした。

「会社の強み・ブランドを再定義したい」という背景でご相談いただき、サイトリニューアルを始動。徹底的なヒアリングとコンセプト設計、複数のデザイン提案とワイヤーフレームのすり合わせを通じ、企業の理念や独自性が伝わるサイトを目指しました。

結果として代表の曽宮様から「これ以上ない」と胸を張れる仕上がりになったとのお声をいただいています。

関連記事|株式会社AdOps様 採用サイト・コーポレートサイトフルリニューアル

リニューアル事例を見るときは、単にデザインのBefore / Afterを見せるだけでなく、

  • どんな課題があったか
  • どの情報を追加・整理したか
  • なぜその構造にしたか
  • 公開後に何が変わったか

まで確認すると、自社に応用しやすくなります。具体的な制作実績は実績・事例一覧をご覧ください。

サイト単体ではなくマーケティング全体から考える場合は、BtoBマーケティングとは?も参考になります。

BtoBサイトの制作会社を選ぶときのポイント

制作会社を選ぶ際は、デザイン実績だけでなく、次の点を確認します。

  • BtoB商材への理解があるか
  • 事業を理解するための質問をしてくれるか
  • 課題と解決策を一緒に考えてくれるか
  • SEOやCVRも含めて設計できるか
  • 公開後の改善まで対応できるか
  • 実績・事例が自社の課題に近いか

「きれいなサイトを作れるか」だけではなく、サイト公開後にどう成果へつなげるかまで考えられるかを見ることが重要です。

提案を受けるときは、次の内容が含まれているかも確認してください。PENGINが無料提案でお出ししている項目です。

  • リニューアルの目的整理
  • 既存サイトの課題抽出
  • ワイヤーフレームによる構造提案
  • キーワード分析とSEO設計方針
  • 想定される成果シミュレーション

サイト制作は無形商材のため、提案の段階でこれらが具体化されていないと、公開後に「思っていたものと違う」というズレが起きやすくなります。

BtoB企業のサイト制作を依頼する場合は、BtoBサイト制作会社の比較・選び方も参考にしてください。

まとめ|リニューアルは「作り直すこと」ではなく「役割を再設計すること」

BtoBサイトリニューアルで重要なのは、制作そのものではありません。まず、

  1. 本当に全面リニューアルが必要か
  2. 誰が、なぜ買うのか
  3. 現在のボトルネックはどこか
  4. Webサイトに何を担わせるか

を整理します。

そのうえで、情報設計、デザイン、SEO、AI検索への情報提供、CVR、計測まで一つの設計として考えます。

BtoBサイトのリニューアル・改善を相談できます
「全面リニューアルが必要か分からない」「どこを直せば成果につながるか判断できない」という段階でも問題ありません。PENGINでは現状を確認し、部分改修を含めて必要な対応を整理します。
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