BtoBサイトの構成|必要なページ一覧とサイトマップを検討段階別に解説

BtoBサイトの構成|必要なページ一覧とサイトマップを検討段階別に解説

この記事の監修者

鈴木 将太 |CMO

大手メーカーでの企画職や個人事業の経験を持つ。現在は大手企業からベンチャー企業まで、幅広い企業のマーケティング伴走支援やWebディレクションを担当。
BtoBマーケティングを幅広く網羅し、サイト設計に深い理解を持つ。トレンドを取り入れたデザインから業界特化型のデザインまで柔軟に対応しています。

BtoBサイトを作るとき、「どのページが必要か」を一覧で決めようとすると、他社サイトにあるページをひととおり並べる形になりがちです。

ページが揃っているように見えても、検討のどこかの段階に答える情報が欠けていることで、問い合わせまで進めていないケースがあります。この記事では、必要なページの一覧と標準的なサイトマップを示したうえで、自社に何が足りていないかを判断する方法を整理します。

どこまで作り直すかによって費用がどう変わるかはサイトリニューアルの費用相場|料金の内訳と予算別にできることを解説にまとめています。

ページは「検討のどの段階を埋めるか」で決める

BtoBでは、サイトを見た人がその場で発注を決めることはほとんどありません。段階を追って情報を集め、社内で説明して合意を取ります。

検討段階ごとに必要なページを4区分で示した図。課題を調べている、できるか確かめている、発注先を比べている、社内を通そうとしている
検討段階と必要なページ(PENGIN整理)

この4段階を、必要なページとCTAまで対応させると次のようになります。自社サイトを当てはめて、1行でも空欄になる段階を探してください。

検討段階読者の問い必要なページ主なCTA欠けていると起きること
1. 課題を調べる何が問題なのかコラム・課題別の解説関連記事・資料ダウンロード検討の入口で自社が見つからない
2. できるか確かめるこの会社で解決できるのかサービス詳細・強み・対応範囲資料ダウンロード候補に入る前に外れる
3. 発注先を比べる他社と何が違うのか料金・導入事例・よくある質問・実績一覧無料相談・見積もり依頼比較の土俵に乗らない
4. 社内を通す上長にどう説明するか料金・体制・進め方・スケジュール・資料問い合わせ・追加相談担当者は乗り気でも稟議で止まる

段階の分け方と、そこに誰が関わるかはBtoBの購買プロセスで解説しています。

自社サイトを、この4区分に当てはめてみる

既存のページを4つの段階に割り振ると、1ページも当てはまらない段階が見つかることがあります。そこが、検討が止まっている場所である可能性が高い箇所です。

特に見落とされやすいのは「社内を通そうとしている」段階です。担当者は導入したいと思っているのに、上長や決裁者に説明する材料がサイトに無く、そこで止まります。

優先度は「必要かどうか」ではなく「無いと止まるかどうか」

BtoBサイトのページを優先度で3列に分けた図。無いと検討が止まる・あると判断が早まる・後回しでよい
ページの優先度(PENGIN整理)

すべてのページを同時に作る必要はありません。商談が足りていない段階では、左の列(無いと検討が止まる)から埋めます。

無いと検討が止まるページ

ページ答えている問い無い場合に起きること
サービス詳細何を、どこまでやってくれるのか対応範囲が分からず、問い合わせる前に候補から外れる
料金の考え方いくらかかるのか、何で変わるのか社内で金額を説明できず、稟議に上げられない
問い合わせフォームどうやって相談すればよいか行動したい人が行き先を見つけられない
会社概要実在する会社か、体制はどうか与信の確認が取れず、比較の土俵に乗らない

金額を公開できない場合も、考え方と幅だけは示します。「お問い合わせください」だけだと、比較段階で候補から外れます。

あると判断が早まるページ

  • 導入事例:近い規模・業種での進め方。同じ商材でなくても、構造が近ければ材料になる
  • 進め方・スケジュール:着手から公開まで何ヶ月か、社内で何をする必要があるか
  • よくある質問:商談で実際に聞かれた質問をそのまま載せる
  • 社内共有用の資料:担当者が上長へ転送できる形にしておく

事例の作り方と他社の構成例はBtoBサイトの成功事例、資料に何を含めるかはBtoBのコンテンツマーケティングにまとめています。

後回しでよいページ

コラム、代表メッセージ、沿革、ニュース一覧などです。不要という意味ではなく、商談が足りていない段階での優先度が低いということです。

コラムは検討の初期段階に効きますが、成果が出るまでに時間がかかります。着手の順番はBtoBのSEO|商談までの距離で設計するで解説しています。

採用や広報が主目的のサイトでは、この優先度は変わります。ここで示しているのは、問い合わせと商談を増やすことが目的の場合の順番です。

最低限のサイトマップ例

上の4段階を満たす最小構成は、次の形になります。ここから、自社の商材に合わせて増やしていきます。

TOP
├ サービス
│  ├ サービスA
│  └ サービスB
├ 強み・選ばれる理由
├ 料金
├ 導入事例
├ よくある質問
├ お役立ち資料(ダウンロード)
├ 会社概要
└ お問い合わせ
   └ 送信完了(サンクスページ)

コラムやお役立ち記事は、この最小構成が揃ってから追加します。先に記事を増やすと、流入は増えても受け皿が無い状態になります。

商材タイプによって変わるところ

商材タイプ追加したいページ理由
BtoB SaaS機能一覧・料金プラン比較・セキュリティ・導入の流れ機能と料金の比較が検討の中心になるため
コンサル・無形商材支援範囲・進め方・担当者紹介・実績数何をしてくれるかが見えにくく、人で選ばれるため
製造業・メーカー製品カタログ・仕様一覧・技術資料・対応業界仕様の確認が先に来て、比較が技術要件で行われるため
複数事業を持つ企業事業別のトップページ・事業一覧1つのサービスページに混ぜると、どの事業の話か分からなくなるため

いずれの場合も、追加するのは最小構成が揃ってからです。

PENGINの支援事例|記事を増やす前にサイト構成を見直した

PENGINが支援した医療系SaaS企業では、記事を増やす前にサービスサイトの設計と問い合わせまでの導線を見直しました。そのうえでSEOコンテンツとCTAを拡充しています。

約2年間の支援のなかで、月間CV数は約30件から1年で約300件へ10倍に増加し(CVは問い合わせ・資料ダウンロード等の合計です)、支援開始から1年後にはWeb経由の商談が月140件まで伸びました。

この数値は特定の1社での結果で、同じ条件が揃えば再現できるというものではありません。また、サイト構成の見直しだけで得られた成果ではなく、SEO・CTA・広告を含む複数の施策を並行して実施しています。特定の施策に成果を帰属させないでください。

他の事例はBtoBサイトの成功事例とPENGINの制作実績をご覧ください。

ページを増やす前に確認すること

  1. 既存ページを4つの検討段階に割り振る:1ページも無い段階を探す
  2. 問い合わせが来ている経路を確認する:どのページから来ているか。想定と違うことが多い
  3. 商談で聞かれる質問を書き出す:サイトで答えられていない質問が、足りないページになる
  4. 失注した理由を段階で分ける:条件が合わなかったのか、社内で通らなかったのか
  5. 左の列から埋める:無いと止まるページが揃ってから、次へ進む

この順で確認すると、「他社にあるから作る」という決め方を避けられます。

ページが揃っても問い合わせが増えない場合

必要なページがあるのに問い合わせが増えない場合は、ページの有無ではなく中身か導線に原因があります。

  • 流入しているのが、発注を検討していない層になっていないか
  • ページの訴求と、来ている人の課題がずれていないか
  • 比較・判断に必要な情報が足りていないか
  • 次の行動(CTA)が、その段階に合っていないか
  • フォームで止まっていないか

この5つの切り分けはBtoBサイト改善の進め方で詳しく解説しています。ページ単位のデザインと情報設計はBtoBサイトのデザイン、接点ごとに商談化率がどう変わるかはBtoBのリード獲得にまとめています。

関連する記事との使い分け

BtoBサイトについては、扱う範囲ごとに記事を分けています。目的に近いものをご覧ください。

知りたいこと参照する記事
サイト全体の構成・必要なページ・サイトマップこの記事
サイトが担う役割の決め方とKPIBtoBサイトの役割設計
ページ内のレイアウト・UI・デザインBtoBサイトのデザイン
コーポレートサイトに特化した構成BtoBのコーポレートサイト
問い合わせが増えない原因の切り分けBtoBサイト改善の進め方
全面的に作り直すかどうかの判断BtoBサイトのリニューアル
他社サイトの構成例BtoBサイトの成功事例

BtoBサイトの構成でよくある質問

Q.何ページくらい必要ですか?

A.

ページ数では決まりません。4つの検討段階に1ページも当てはまらない段階があれば、そこを埋めることが先です。無いと検討が止まるページ(サービス詳細・料金の考え方・問い合わせフォーム・会社概要)が揃っていれば、最低限は成立します。

Q.料金を公開できない場合はどうすればよいですか?

A.

金額そのものを出せなくても、何で費用が変わるのか、どの範囲が含まれるのか、おおよその幅はどれくらいかを示すことはできます。担当者が社内で説明するには、金額の根拠が必要になるためです。

Q.コーポレートサイトとサービスサイトは分けるべきですか?

A.

商材の数と、伝える相手が分かれているかによります。問い合わせを増やすことが目的で、サービスが1〜2本であれば、分けずに1サイトにまとめたほうが導線は短くなります。

Q.導入事例は何件あればよいですか?

A.

件数より、読む人と条件が近いかどうかです。件数を増やすこと以上に、自社と条件の近い事例を掲載することが重要です。件数が少ない段階では、業種・規模・課題といった条件を明記したうえで出してください。

Q.既存サイトを作り直すべきか、ページを足すべきか迷っています

A.

不足しているのが特定の段階のページだけなら、追加で足りることが多くあります。全面的に作り直すかどうかの判断基準は、リニューアルの記事にまとめています。

Q.料金ページは必須ですか?

A.

商談を増やすことが目的であれば、必要です。金額そのものを公開できない場合でも、費用が何で変わるのか、どこまでが含まれるのか、おおよその幅はどれくらいかを示してください。担当者が社内で説明するには、金額の根拠が必要になります。

Q.資料ダウンロードは用意すべきですか?

A.

商談数が足りていない段階では、優先度は高くありません。先に相談・見積もり依頼の受け皿を整えるほうが、商談までの距離が短くなります。ただし、担当者が社内で共有するための資料は、稟議の段階で必要になります。

Q.サンクスページは作ったほうがよいですか?

A.

作ってください。送信完了を別URLにしておくと、問い合わせ数を計測できます。フォームと同じページで完了メッセージを出す形だと、何件送信されたかをあとから追えなくなります。

まとめ|ページ一覧ではなく、空いている段階から埋める

  1. 必要なページ一覧と最小サイトマップを、自社の現状と突き合わせる
  2. 既存ページを4つの検討段階に割り振り、空いている段階を探す
  3. 「無いと検討が止まるページ」から先に埋める
  4. 料金は金額を出せなくても、考え方と幅を示す
  5. 社内を通すための材料(進め方・体制・資料)を忘れない
  6. ページが揃っても増えない場合は、中身か導線を疑う

全面的な作り直しを検討している場合はBtoBサイトのリニューアル、コーポレートサイト側の考え方はBtoBのコーポレートサイトを参照してください。

「どのページから作ればよいか決められない」「ページはあるのに問い合わせが増えない」という場合は、PENGINのBtoBサイト制作をご覧ください。