この記事の監修者

粟飯原 匠 |CEO

ベンチャーやスタートアップにて新規事業のマーケティング・セールスを担当し年商5億円までのグロースを経験。PENGIN Inc.を創業し、現在は上場企業やレガシー産業のマーケティング戦略の立案〜実行支援までを担当。

上の動画は、買収検討報道を扱った既存の解説動画です。2024年7月には検討を進めない方針が報じられています。報道の経緯は本記事の本文をご確認ください。

2024年に報じられたAlphabetのHubSpot買収検討については、同年7月に進めない方針になったと報じられました。 「GoogleがHubSpotを買収することが決まった」というニュースではありません。

従来の検討報道だけを読むと、その後も買収が進んでいるように受け取る可能性があります。本記事では報道の時系列を整理し、そのうえでBtoB企業がCRMの選択や運用を考える際の論点を解説します。

2024年の報道では、何が確認できるのか

Reutersの2024年4月4日の報道は、Googleの親会社AlphabetがHubSpotへの買収提案の可能性についてアドバイザーと協議していたと伝えました。この時点では正式な提案は行われていないとされていました。

続くReutersの2024年7月10日の報道では、Alphabetは買収を進めない方針となり、協議はデューデリジェンスの段階まで進まなかったとされています。

日付報道の内容読み取るときの注意
2024年4月4日買収提案の可能性について協議していたとの報道検討を買収決定と扱わない。
2024年7月10日買収を進めない方針になったとの続報当初の予測を、その後も続く計画として説明しない。

本記事はこの2024年の報道を整理するものです。買収が実現した場合の製品統合や料金変更を、決定済みの仕様として説明することはできません。

報道されたことと、自社にとっての意味を分ける

企業再編のニュースを見る際は、検討の報道、正式な契約の発表、取引の完了を分けて確認したいところです。「実現したら便利になるかもしれない」という予想は、現時点で使える機能とは別です。

今回のニュースから、PENGINでは、広告やコンテンツによる接点と、その後の顧客管理をどうつなぐかを考えるきっかけが得られると捉えています。ただし、これはPENGINの実務上の見解であり、両社が公式に表明した買収目的ではありません。

重要なのは、特定の買収が実現するかどうかを予想してから、自社の業務を決めることではありません。問い合わせが営業へ渡っているか、対応が止まる場所はないか、どのような相談が受注に近いか。まず自社で確認できる問題を整理します。

2024年のHubSpot買収検討と見送りの報道、確認されていない製品統合などの予測、自社で決めるべき顧客管理の目的・担当・評価を分けた図。ニュースから自社の運用の正解へ飛躍しないための整理。
Reutersの続報を踏まえたPENGIN整理。各欄は別の性質の情報です。

CRMの運用では、ツール選びより先に4つを決める

1. 何を改善するための顧客管理か

「顧客データを一元化する」は手段です。問い合わせへの対応漏れをなくしたいのか、商談の進捗を把握したいのか、見込み顧客への情報提供を続けたいのかで、必要な記録は変わります。

たとえば対応漏れが課題なら、最初から多数の分析指標を作るより、受付日時、担当者、次の対応、対応期限を確認できる状態を優先する、という判断ができます。これは設計例であり、特定のPENGIN案件の実測結果ではありません。

2. 各段階を、同じ意味で記録できるか

資料請求、具体的な相談、予約、商談実施、受注は同じ出来事ではありません。部門によって「商談」の意味が違うと、同じ数字を見ていても判断がずれます。

段階の例先に決めること
問い合わせ受付資料請求と個別相談を分けるか。重複・営業メール・対象外の問い合わせをどう扱うか。
有効な相談対象企業、用途、相談内容など、営業に渡すための条件。
商談実施予約だけで数えず、実際に打ち合わせを行ったか。
受注・失注確定の基準、金額、理由、次の対応をどこに残すか。

最初から細かく分類しすぎる必要はありません。現場が入力でき、意思決定に使う項目から始める方針です。

3. 誰が、何を受け取ったら次へ進めるか

状態の定義だけでなく、担当者、引き渡し条件、必要な情報、次の対応を決めます。

「資料を請求した人」と「今すぐ話したい人」には、同じ連絡方法が適しているとは限りません。問い合わせ時に案内した内容と、営業側の実際の対応をそろえましょう。予約後の引き継ぎを考える際は、サンクスページから商談につなぐ設計でも具体的な論点を扱っています。

4. 件数と、その後の進み方をどう評価するか

資料請求が増えても、対象外の相談や営業工数ばかり増えるなら、獲得数だけで施策を評価できません。同じ受付対象者が、どこまで進んだかを追えるようにします。

今月受け付けた人数と、過去に獲得した相手も含む今月の商談数を、そのまま割らないことも大切です。比較する対象と期間をそろえ、営業が記録する定義が途中で変わった場合はその変更を残します。

Web側の観測は、GA4を使った計測設計と改善診断と合わせて整理すると、フォームの動作と営業側の進捗を混同せずに確認できます。

CRMの運用設計で先に決める目的、段階の定義、担当と引き継ぎ、評価の4項目。問い合わせや商談を同じ意味で記録し、同じ対象者の進み方を確認して、次の対応を決めるための実務上の整理図。
PENGIN整理。特定ツールの必須設定や、成果を保証する手順ではありません。

CRMに記録があっても、施策の因果がすべて分かるわけではない

PENGINでは、接触履歴を残すことと、単独の施策が受注を生んだと証明することを分けて考えます。

記録されていない紹介や、社内での資料共有、複数の接点が影響している可能性もあります。「最後に見たページ」だけを唯一の貢献者とみなしたり、複数の接点に同じ受注を重複して足したりしないようにします。

データを増やす前に、何の判断に使い、誰が閲覧・更新するかを定めることも必要です。公開してよい実績と、社内で扱う顧客情報を分け、業務に不要な情報まで集めることを目的にしない方針です。

よくある質問

Q.GoogleがHubSpotを買収したという話だったのですか?

A.

2024年4月の報道は買収提案の可能性の検討に関するものです。7月には進めない方針が報じられました。検討報道を買収成立の発表と混同しないことが重要です。

Q.規制当局が買収を禁止したのですか?

A.

本記事で確認した報道は、協議がデューデリジェンスに進まなかったという内容です。規制当局による禁止処分が出たと、この経緯から説明することはできません。

Q.買収報道を理由にCRMを入れ替えるべきですか?

A.

PENGINでは、将来の企業再編の予測より、自社の顧客プロセス、必要な機能、データの扱い、現場の運用負荷を基準に判断することを勧めています。

まとめ|買収予測より、自社で改善できる顧客プロセスを見る

2024年のHubSpot買収検討は、検討の報道と、その後の見送りの報道を分けて理解する必要があります。そこから自社の業務を考える際も、買収後の機能や効果を前提にしないことが重要です。

PENGINでは、何を改善したいか、どの状態を記録するか、誰が次を担当するか、どう評価するかという順番で整理します。HubSpot導入・活用支援では、事業課題に合わせたデータや業務フローの設計、運用を支える支援内容を紹介しています。

Webでの獲得から営業への引き継ぎまで見直したい場合は、PENGINへのお問い合わせから現在の課題をお聞かせください。

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