この記事の監修者

粟飯原 匠 |CEO

ベンチャーやスタートアップにて新規事業のマーケティング・セールスを担当し年商5億円までのグロースを経験。PENGIN Inc.を創業し、現在は上場企業やレガシー産業のマーケティング戦略の立案〜実行支援までを担当。

資料請求やお問い合わせはあるのに、その後の商談が増えない。そんなとき、フォーム送信後のサンクスページは確認したい接点の一つです。

ただし、カレンダーを置いて全員を商談に誘導すればよいわけではありません。

PENGINでは、まず申し込みの受付と資料の受け取りを確実にし、そのうえで「今、相談したい人」が連絡を待たずに次へ進めるようにすることを重視しています。資料を読みたい人の行動を妨げず、相談したい人には日程調整の選択肢を渡す。この両立が、サンクスページ改善の出発点です。

この記事では、PENGINで行った改善をもとに、導入を検討する条件、ページに必要な情報、商談・受注まで含めた評価方法を解説します。

サンクスページは「受付の完了」と「次の行動」をつなぐ場所

サンクスページとは、問い合わせや資料請求などの送信後に、受け付けたことを伝えるページです。まず必要なのは、何が完了し、この後どうなるのかを分かるようにすることです。

GOV.UKの確認ページ設計ガイドでも、手続きの完了に加えて、次に起きることや時期、連絡先、関連情報を伝える設計が示されています。これは商談効果の研究ではありませんが、完了後の不安を減らすための参考になります。

その基本を満たしたうえで、BtoBサイトでは商談への接続を考えます。

ここで分けたいのは、資料への関心と、今すぐ営業担当者と話したい気持ちは同じではないということです。情報収集のための資料請求者と、導入条件を相談したい問い合わせ者に、同じ行動を強いる必要はありません。

どの検索意図にどの資料を用意するかについては、SEOとホワイトペーパーの組み合わせ方で詳しく扱っています。本記事では、その申し込みが完了した後を見ていきます。

PENGINの実践事例|連絡を待たずに日程を選べるようにした

変えたのは、フォーム送信後の次の一歩

PENGINでは、サンクスページに日程調整カレンダーを設置し、フォームを送信した人が、その場で打ち合わせの日程を選べる導線を用意しました。

この取り組みから考えたいのは、カレンダーという機能そのものよりも、相談の意思がある人を、日程調整の連絡待ちにしないという設計です。空いている候補日時を自分で選べるなら、少なくとも日程を決めるための往復を減らせます。

また、「相談する」というボタンだけでは、何を話す場なのかは伝わりません。相談できる内容や得られる情報を、予約前に説明することも重要だとPENGINでは考えています。

商談数の変化と、施策の因果は分けて考える

当時の担当者確認では、導入前後で商談数が増えたとの報告があり、同時期に別の施策は実施していませんでした。

ただし、比較した年月、各期間のフォーム受付数、当時の商談の計上基準を今回の改稿時点で再照合できていないため、本記事では改善倍率や商談化率を示していません。季節要因や月ごとの変動を除いた、単独施策の効果を証明する事例ではありません。

PENGINがこの実践から得た示唆は、「カレンダーを設置すれば同じ成果が出る」ということではなく、すでに相談したい人が、どこで手間や待ち時間に直面しているかを確認する価値があるということです。

サンクスページの改善を優先したいケース

改善候補として検討しやすいのは、問い合わせ後の日程調整で連絡が途切れる、相談希望者が候補日時を選べない、受付後に何が起きるか分からない、といった問題が確認できる場合です。

反対に、次のような状態なら、カレンダー設置より先に確認することがあります。

確認できた状態先に見直すこと
フォームの送信や資料の受け取りができない受付処理、配信、ダウンロード導線の不具合。
問い合わせ自体が少ない流入する読者、提供情報、フォームまでの導線。
資料請求は多いが、相談対象に合う人が少ない集めている読者と資料・サービスとの関係。
予約は入るが、商談が実施されない予約時の期待、参加方法、日程変更や事前案内。
担当者が予約を受けられない対応体制、担当振り分け、公開する予約枠。

問い合わせ前のどこで止まっているかは、SEO記事から問い合わせにつながらない場合の診断で整理できます。サンクスページは、流入やフォームの問題まで解決する万能な施策ではありません。

サンクスページで設計したい3つのこと

1. 何を受け付けたかを明確にする

資料請求を受け付けたのか、相談の問い合わせを受け付けたのかを、ページ上で明示します。次の連絡方法、対応の目安、問題があったときの連絡先も、実際の運用に合わせて案内しましょう。

「担当者から連絡します」とだけ書くより、読者が次に何を待てばよいかを示すことが大切です。ただし、守れない返信時間や対応内容は約束しません。

なお、画面を表示できたことと、受付システムに内容が保存されたことは、運用上分けて確認が必要です。フォーム側の送信・入力の問題は、EFOによるフォーム離脱の改善方法も参照してください。

2. 約束した資料を、予約なしでも受け取れるようにする

「資料を受け取れる」と案内して申し込んでもらったなら、まずその約束を果たします。ページから受け取れる方式なら対象の資料が分かるリンクを、メールで送る方式なら送付先の確認方法や届かない場合の案内を用意します。

フォーム送信後になって初めて「商談を予約しなければ資料を渡さない」という条件を追加すると、申し込み時の期待とずれてしまいます。PENGINでは、資料受領の導線と、任意の相談予約を分けて設計する方針です。

まず資料を読みたい人には、受領後に検討を続けられるよう、必要な説明や関連事例への道筋を残します。予約しなかったことだけで、その人を見込みのない相手と判断しないことも大切です。

3. 相談したい人には、内容が分かる予約導線を渡す

予約の前には、何を相談できるか、所要時間、オンラインか対面か、参加する担当者、事前準備の有無など、実際の対応条件を説明します。

たとえばWeb改善の相談なら、「現在の問い合わせ導線を確認し、先に調べるべき箇所を整理する」といった形で、話す目的を伝えます。説明できない成果保証や、その場で提供できない成果物を並べる必要はありません。

そのうえで、日時の選択肢を示します。埋め込み型と外部ページへのリンク型のどちらにするかは、スマートフォンでの見やすさ、実装、計測、運用負荷を比べて決めます。埋め込みが表示されない場合や、都合のよい枠がない場合の代替連絡方法も用意しましょう。

フォーム受付後に受付内容と次の案内を示し、約束した資料の受領を妨げず、相談したい人は日程予約、まず検討したい人は資料や事例の確認へ進める、任意の行動を分けたサンクスページの設計例。
申し込み時に約束した情報を渡したうえで、相談したい人が次へ進めるようにします。

予約が入った後の営業対応まで整える

サンクスページだけを変えても、その後の対応とつながっていなければ、予約した人を迷わせることがあります。

たとえば、予約済みの人に別の担当者から日程調整の電話をかけてしまう。相談テーマが伝わっておらず、初回の打ち合わせで同じ説明を何度も求めてしまう。このような状態は、ページの改善と合わせて避けたいものです。

予約が確定したら、営業側でも予約日時と担当者を確認できるようにし、手動の日程調整と重複しない運用を決めます。参加用の情報、変更・キャンセルの方法、必要な事前案内もそろえます。

ここで大切なのは、資料請求、問い合わせ、予約の意味を区別することです。資料を請求しただけの人を、予約した人と同じ扱いにはしません。フォームで伝えた連絡方針と、実際のフォローを一致させましょう。

効果測定では「予約数」と「商談・受注」を分ける

同じ対象者の、その後を追う

PENGINでは、サンクスページの評価を予約ボタンのクリック率だけで終わらせないようにします。確認したい段階は、次のとおりです。

段階確認すること
フォーム受付対象の問い合わせ・資料請求を何件受け付けたか。
サンクスページの閲覧その受付対象者に、案内が表示されているか。
予約完了カレンダーのクリックではなく、日時が確定したか。
商談実施予約後、実際に打ち合わせが行われたか。
有効商談・受注自社の対象顧客・相談内容に適合し、事業成果につながったか。
同じフォーム受付者の案内閲覧、予約完了、商談実施、有効商談、受注を分けて追い、カレンダーと電話・メールからの予約を重複なく合わせ、経路の置き換えと全体の商談増加を区別する評価の見取り図。
商談までの経路が変わっただけなのか、事業成果が増えたのかを分けて評価します。

有効商談は、対象企業や相談内容など、営業側と事前に決めた基準で判断します。「予約できた」と「売上につながる商談だった」を同じ指標にしないためです。

率を比べるときは、同じフォーム・流入条件・受付対象者を追い、同じ長さの観測期間を設けます。「今月のフォーム受付数」と「過去のリードも含む今月の全商談数」をそのまま割ると、同じ対象者の商談化率にはなりません。

再読み込みや日程変更を新しい成果として重複計上せず、商談予定、実施済み、キャンセルも分けましょう。

カレンダー経由が増えたのか、全体の商談が増えたのかを見る

以前は担当者が調整していた予約が、カレンダー経由に移るだけの場合も考えられます。そのため、カレンダー経由の予約増加を、そのまま新しい商談の増加とはみなしません。

受付対象者をそろえ、メール・電話による調整も含めた全経路の商談を重複なく比較します。商談数が変わらなくても、日程調整の負担が減れば業務上の価値はあり得ます。逆に、予約だけ増えて対象外の打ち合わせが増えるなら、営業側の負担も評価する必要があります。

導入前後を比べる場合は、受付数、流入経路、資料の内容、営業対応、季節要因の変化も記録します。十分な観測量と運用条件を確保できる場合には、同じ時期に比較するテストも検討します。少数件の変化だけで、誰にでも効く施策と判断しないことが重要です。

GA4と予約ツール、営業記録をつなぐ

Google Analytics 4の推奨イベントには、リード獲得を示す generate_lead があります。ただし、サンクスページを見たこと、予約が完了したこと、商談が実施されたことは別の行動です。

たとえば日程調整ツールを使う場合は、予約が確定した通知をもとに計測を設計します。TimeRexの公式ヘルプでは、埋め込みカレンダーの onBookingComplete() を利用して、予約完了時のイベントをWebサイト側へ返す方法が案内されています。カレンダーを置いただけで、GA4に予約完了が自動記録されるという意味ではありません。

実際の商談実施と受注は、予約ツールや営業の管理記録と照合します。また、氏名、メールアドレス、電話番号、相談内容などを、そのままGA4のイベントやURLへ渡さないようにします。Googleの個人情報送信防止のガイドを確認し、計測に必要な情報だけを扱いましょう。

よくある質問

Q.サンクスページには必ず予約カレンダーを置くべきですか?

A.

いいえ。相談したい人が日程調整で止まっている場合には検討できますが、資料の受領や情報収集が目的の人もいます。受付と受領の案内を整えたうえで、任意の次の行動として設計します。

Q.予約が増えれば、商談化率が改善したといえますか?

A.

予約と商談実施を同じものとして扱うことはできません。同じ受付対象者の予約・実施・有効商談を追い、母数と観測期間をそろえて判断します。既存の手動予約がカレンダーに移っただけかどうかも確認します。

Q.予約率が低いときは、ボタンの位置から直せばよいですか?

A.

位置だけでなく、相談内容が伝わるか、読者が今相談する必要があるか、日程の選択肢があるか、予約処理が動くかを確認します。目立たせる前に、相手の目的と案内が合っているかを見直しましょう。

まとめ|受領の約束を守り、相談したい人の手間を減らす

サンクスページの役割は、全員を無理に商談へ進めることではありません。受付と資料受領を分かりやすくし、相談の意思がある人には、日程調整まで進める選択肢を用意することです。

PENGINでは、ページ上のクリックやCVだけでなく、その後の営業対応、商談、受注とのつながりを重視しています。サイト全体の改善箇所を整理したい方は、BtoBサイトのCVR改善方法もご覧ください。

資料請求後の導線や、問い合わせから商談までの流れを見直したい場合は、PENGINのサイト分析・改善支援をご確認ください。どこから調べるべきか整理したい段階でも、Webサイト改善について相談するからお問い合わせいただけます。

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