この記事の監修者

粟飯原 匠 |CEO

ベンチャーやスタートアップにて新規事業のマーケティング・セールスを担当し年商5億円までのグロースを経験。PENGIN Inc.を創業し、現在は上場企業やレガシー産業のマーケティング戦略の立案〜実行支援までを担当。

SEO記事からフォームページにはアクセスされているのに、問い合わせや資料請求が増えない。このような場合に検討したいのが、EFO(Entry Form Optimization/エントリーフォーム最適化)です。

ただし、EFOは「入力項目を減らせばCVRが上がる」「フォームを短くすればよい」という施策ではありません。

PENGINでは、EFOをフォーム到達後に発生している摩擦を特定し、入力開始から送信完了までの取りこぼしを減らす改善と捉えています。

この記事の結論
EFOで最初にやるべきことは、フォームを直すことではなく「本当にフォームがボトルネックか」を確認することです。CTAがクリックされていないのであれば、フォームを改善してもCV数は大きく変わりません。

この記事では、EFOを実施すべき状態の見分け方から、フォーム改善の具体的なポイント、効果測定までを実務視点で整理します。

EFOとは|フォーム到達後の摩擦を減らす施策

EFOとは、問い合わせ・資料請求・会員登録などの入力フォームを改善し、フォームの入力開始率や送信完了率を高める取り組みです。

フォームはCV直前の接点なので、入力の手間、わかりづらいエラー、スマートフォンでの操作性、不安を感じる設問などがあると、ユーザーは途中で離脱します。

一方で、サイト全体のCVRが低いからといって、必ずしもフォームが原因とは限りません。CVまでの流れは、次のように分けて考える必要があります。

訪問 → CTAクリック/フォーム到達 → 入力開始 → 送信完了 → 商談

EFOが直接改善するのは、主に「フォーム到達→入力開始→送信完了」の区間です。

EFOが改善するのは、訪問からフォーム到達、入力開始、送信完了、商談へ至るファネルのうちフォーム到達から送信完了までの区間であることを示した図。訪問前の流入や商談化はEFOでは動かないため、フォームがボトルネックだと確認してから実施します。
PENGIN整理。EFO単体でCVR全体が改善することを示した図ではありません。

フォームへの到達が少ない場合は、フォーム内部の改修だけでなく、検索意図・コンテンツ・訴求・導線を確認する必要があります。SEO記事を入口として調べる手順は、SEO記事から問い合わせが来ないときの3段階診断で整理しています。

BtoBサイト全体のCVR診断については、BtoBサイトのCVR改善方法もあわせてご覧ください。

まず確認|EFOを優先すべき3つの状態

1. フォーム到達はあるが入力開始が少ない

フォームページまでは見られているのに入力が始まらない場合、フォームを見た瞬間に「面倒そう」「何を聞かれるかわからない」「営業電話が来そう」と感じられている可能性があります。

この場合は入力欄そのものだけでなく、フォームの前後にある情報を確認します。

  • 資料請求・問い合わせによって何が得られるか
  • 入力項目の量が最初に重く見えていないか
  • 必須/任意が明確か
  • 返信方法や対応の流れがわかるか
  • プライバシーや企業への信頼に不安がないか

フォームの入力開始率が低い場合、操作性よりも「入力する理由」と「不安」の問題であることがあります。

2. 入力開始はあるが送信完了が少ない

入力を始めているのに送信されない場合は、入力中の摩擦を疑います。代表的な確認ポイントは次の通りです。

  • 不要な項目が多くないか
  • 入力形式がわかりづらくないか
  • 郵便番号・電話番号などのフォーマット制約が厳しすぎないか
  • エラーが送信後にまとめて表示されていないか
  • エラー後に入力内容が消えないか
  • スマートフォンでキーボード・選択UIが使いづらくないか
  • 確認画面が不要な1ステップになっていないか

ここでは、フォームを「短くする」ことよりも、ユーザーが止まる場所を減らすことが重要です。

3. モバイルや特定フォームだけ完了率が低い

サイト全体の平均値だけを見ると、原因を見誤ることがあります。

たとえばPCでは問題なく送信されている一方、スマートフォンだけ完了率が低い場合は、フォームの横幅、入力欄、キーボード、固定CTAとの干渉など、デバイス固有の問題が考えられます。

また、資料請求フォームは完了しているのに問い合わせフォームだけ離脱が多い場合は、フォームの目的や設問内容が原因かもしれません。

EFOでは、フォーム単位・デバイス単位で分けて見ることが重要です。

EFOの改善ポイントを3段階で考える

フォーム改善は、入力欄だけを見るより「入力前・入力中・送信直前」に分けると整理しやすくなります。

EFOの改善ポイントを入力前・入力中・送信直前の3段階に分けた図。入力前は価値と不安、入力中は入力負荷とエラー、送信直前は最後の迷いを扱い、項目数を減らす前にどこで止まっているかを計測して決めます。
PENGIN整理。施策一覧ではなく、摩擦の位置から改善内容を決めます。

入力前|入力する価値と不安を整える

ユーザーが入力を始める前には、「このフォームに情報を渡す価値があるか」を判断しています。そのため、フォーム周辺では次の情報を明確にします。

  • 問い合わせ後に何が起きるか
  • 資料で何がわかるか
  • 返信・対応の目安
  • 誰が対応するのか
  • 取得情報を何に利用するのか

たとえば「送信」だけではなく、「無料資料をダウンロード」「サイト改善について相談する」のように、送信後に得られる結果がわかる表現の方が判断しやすくなります。

入力中|入力負荷とエラーを減らす

入力中は、ユーザーに不要な作業をさせないことが重要です。

  • 本当に初回接点で必要な項目だけにする
  • 必須・任意を明確にする
  • 入力例を表示する
  • 適切な入力タイプや自動入力を使う
  • エラーは該当項目の近くで具体的に伝える
  • 入力済みデータを保持する
  • モバイルではタップしやすいサイズ・間隔にする

特にBtoBフォームでは、会社名・部署・役職・電話番号など、営業側が取得したい情報が増えやすくなります。

すべてをフォームで取得するのではなく、初回接点前に必要な情報か、商談後に確認できる情報かを分けることが有効です。

送信直前|最後の迷いを減らす

入力が終わっても、ユーザーは送信直前に迷うことがあります。

  • 強い営業をされないか
  • いつ連絡が来るのか
  • 入力情報は安全か
  • 本当にこの内容で送ってよいか

こうした不安がある場合、プライバシーポリシー、対応方法、担当者情報、送信後の流れを簡潔に示します。ただし、安心材料を増やしすぎてフォーム自体を長く・複雑にしないことも重要です。

入力項目は「少ないほど良い」とは限らない

EFOでは「項目を減らす」が定番施策として紹介されます。入力負荷を下げるという意味では有効ですが、BtoBではCV数だけを最大化すればよいとは限りません。

たとえば会社名や相談内容を削ればフォーム送信は増えても、営業側で対象企業か判断できず、商談化率や対応効率が下がることがあります。

PENGINでは、フォーム改善を次のように考えます。

フォーム完了率 × 商談化率 × 受注率

つまり、EFOの目的は「とにかくフォームを短くすること」ではなく、必要な情報を取得しながら、不要な摩擦だけを減らすことです。

GA4でEFOを測定する方法

EFOを改善するには、「フォームが送信されたか」だけでなく途中の行動を計測します。

Google アナリティクス 4では、フォーム操作の拡張計測として form_start と form_submit が用意されています。

  • form_start:ユーザーがそのセッションで初めてフォームを操作したとき
  • form_submit:フォームの送信操作が行われたとき(送信操作が行われたことと、自社の受付システムに正常保存されたことは別です)

Google公式ヘルプでも、この2つを比較することで、フォーム入力を開始したユーザーと送信したユーザーの差を確認できると説明されています。参考:Google アナリティクス|拡張計測機能イベント

最低限、次の数値を見られる状態にしておくと改善しやすくなります。

  1. フォームページ/フォーム表示数
  2. 入力開始数
  3. 送信完了数
  4. デバイス別の完了率
  5. フォーム別の完了率

実装方法によって自動計測が意図通り取得できない場合もあるため、公開前には実際のイベント発火をテストします。

計測設計そのものの組み方は、GA4でCVR改善を進める方法で解説しています。

EFO改善の優先順位

施策を思いつき順に実施するのではなく、次の順で進めます。

  1. 計測を確認する
  2. フォーム到達→入力開始→送信完了のどこで落ちるかを見る
  3. デバイス・フォーム別に分解する
  4. 最も大きい摩擦に仮説を立てる
  5. 1つずつ改善して前後比較する

たとえば送信完了率が低いときでも、入力項目数が原因とは限りません。特定項目でエラーが集中している、スマートフォンでのみ操作しづらい、資料の価値が伝わっていない、といった別の原因も考えられます。

EFOでよくある失敗

フォームが原因か確認せず、最初にEFOを始める

フォームへの到達が少ない場合は、流入・訴求・導線もあわせて確認します。ただし、記事内の埋め込みフォームやフォームへの直接流入ではCTAのクリックを経由しません。また送信できない不具合があれば、クリック数にかかわらずその修正が先です。

項目を削りすぎる

CV数が増えても、必要情報がなくなり営業工数が増えることがあります。

「平均完了率」をそのまま目標にする

フォーム種別、商材、入力項目、デバイス、流入意図で完了率は大きく変わります。外部ベンチマークは参考に留め、自社の前後比較を重視します。

PCだけ確認する

BtoBでもスマートフォンからの閲覧・資料確認は発生します。モバイルの入力体験を必ず確認します。

CVで評価を止める

フォーム送信が増えても商談・受注につながらなければ、事業成果としては不十分です。

EFOチェックリスト

  • フォーム到達数を計測できている
  • 入力開始と送信完了を分けて計測している
  • 必須項目と任意項目が明確
  • 初回接点で不要な質問を減らしている
  • 入力例・形式がわかる
  • エラー箇所と修正方法がその場でわかる
  • エラー後も入力内容が保持される
  • スマートフォンで入力しやすい
  • 送信すると何が起きるか明確
  • プライバシー・対応方法への不安を減らしている
  • フォーム完了率だけでなく商談化率も確認している

よくある質問

Q.EFOはどのタイミングで着手すべきですか?

A.

フォームへの到達数が十分にあるのに、入力開始や送信完了で落ちていると確認できたときです。CTAがクリックされていない段階では、フォームより前の訴求・導線の改善が優先になります。

Q.入力項目は何個まで減らすべきですか?

A.

一律の正解はありません。BtoBでは会社名や相談内容を削るとフォーム送信は増えても、営業側で対象企業か判断できず商談化率が下がることがあります。初回接点で必要な情報か、商談後に確認できる情報かで分けて判断します。

Q.フォームの完了率はどれくらいが目安ですか?

A.

フォーム種別、商材、入力項目、デバイス、流入意図で大きく変わるため、外部の平均値をそのまま目標にすることはおすすめしません。自社の前後比較で評価します。

まとめ|フォーム完了率と商談価値を両方見る

EFOは、フォーム到達後に離脱が発生している場合に有効なCVR改善施策です。ただし、サイト全体のCVRが低いからといって、最初からフォームを直す必要はありません。

まずは、訪問 → CTA/フォーム到達 → 入力開始 → 送信完了 → 商談のどこで数字が落ちているかを確認してください。

フォームがボトルネックなら、入力前の不安、入力中の負荷、送信直前の迷いを順番に取り除いていきます。そしてBtoBでは、フォーム完了率だけでなく商談化率・受注率まで含めて改善を評価することが重要です。

サイト全体のCVR改善については、BtoBサイトのCVR改善方法をご覧ください。自社サイトのボトルネック特定から改善まで支援が必要な場合は、PENGINのサイト分析・改善支援もご相談ください。

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