この記事の監修者

鈴木 将太 |CMO

大手メーカーでの企画職や個人事業の経験を持つ。現在は大手企業からベンチャー企業まで、幅広い企業のマーケティング伴走支援やWebディレクションを担当。
BtoBマーケティングを幅広く網羅し、サイト設計に深い理解を持つ。トレンドを取り入れたデザインから業界特化型のデザインまで柔軟に対応しています。

BtoBマーケティングでは、SEOや広告、展示会、紹介など多くの施策があります。その中でも比較メディアは、すでに発注意向を持つ企業と接点を作りやすい一方で、「実際にどれくらい受注につながるのか」「媒体ごとに成果はどれくらい違うのか」は外から見えにくい施策です。

PENGINでは、Web制作の商談獲得を目的に、アイミツ・比較ビズ・Web幹事の3媒体を実際に運用しました。本記事では、そのときの投下費用・受注額に加えて、相談単価・受注率・受注単価まで公開します。

結論からいうと、3媒体は同じ「比較メディア」でも成果の出方が大きく異なりました。特にWeb幹事では、1年間で346万円を投下し、1,600万円の受注につながっています。

この事例の計測条件

  • 対象:PENGINのWeb制作案件における比較メディア運用
  • 対象媒体:アイミツ / 比較ビズ / Web幹事
  • 計測期間:アイミツ・比較ビズは6ヶ月、Web幹事は1年
  • 主要指標:費用、受注額、商談単価、受注率、受注単価
  • 注意:媒体ごとに同じ工数・運用体制をかけているわけではないため、単純な媒体優劣を示すものではありません。

比較メディア3社の実績

まず、PENGINで計測した数値を一覧にします。

この表の指標の定義

数値を読み違えやすいので、先に定義を示します。「相談単価」の分母は商談件数ではなく相談件数です。PENGINでは、打ち合わせが組めなかった場合でも、見積もりや提案資料を提出したものは相談1件として数えています。受注率の分母も同じ相談件数です。

  • ROAS=受注額 ÷ 費用
  • 相談単価=費用 ÷ 相談件数(打ち合わせに至らず、見積もり・提案資料の提出で終わったものも含む)
  • 受注率=受注件数 ÷ 相談件数
  • 受注単価=受注額 ÷ 受注件数

受注率が低く見える媒体があるのは、打ち合わせまで至らなかった相談も分母に入っているためです。媒体を比べるときは、率の高低だけでなく、この分母の取り方まで確認してください。同じ社内の数値でも、分母が違えば率は何倍も変わります。

媒体期間費用受注額ROAS相談単価受注率受注単価
アイミツ6ヶ月70万円138万円197%4.1万円17.65%46万円
比較ビズ6ヶ月43万円184万円438%2.0万円9.5%94万円
Web幹事1年346万円1,600万円464%3.44万円27.49%49万円

掲載している数値の精度について
これらはPENGINが社内で集計した実数で、業界平均でも媒体の性能を示すものでもありません。掲載値どうしで検算すると、アイミツは受注額の再計算値が138.6万円(掲載138万円)で誤差0.4%、比較ビズは192万円(掲載184万円)で誤差4.3%と、丸めの範囲に収まります。
一方Web幹事は再計算値が約1,355万円となり、掲載している1,600万円と約15%のずれが残ります。この差の原因は元資料からは特定できていないため、Web幹事の相談単価・受注率・受注単価の3つは参考値としてご覧ください。費用346万円と受注額1,600万円は元資料の直接値です。
また、媒体ごとに投下期間も運用体制も異なるため、この表は媒体の優劣を示すものではありません。

ROASは「受注額 ÷ 費用」で算出しています。費用と受注額は元資料の記載値です。

アイミツ:6ヶ月70万円の投下で138万円の受注

株式会社PENGINの公式YouTubeより引用したアイミツの活用効果

アイミツは6ヶ月で70万円を投下し、138万円の受注につながりました。相談単価は4.1万円で、3媒体の中では中間です。BtoBで1件あたり5万円以内で相談が組めるのであれば、検討に値する水準だと考えています。

一定の受注は生まれた一方で、PENGINでは商談の質にばらつきがあると感じました。受注額は媒体費を上回っていますが、制作原価や営業工数を含めた利益がどうだったかはこの数値だけでは判断できません。継続投資の判断は、そこまで確認したうえで行う必要があります。

比較メディアでは、リード数や商談数だけではなく、受注率・受注単価・営業工数まで見て判断することが重要です。

比較ビズ:6ヶ月43万円の投下で184万円の受注

株式会社PENGINの公式YouTubeより引用した比較ビズの活用効果

比較ビズは6ヶ月で43万円を投下し、184万円の受注につながりました。投下額に対する受注額の比率は3媒体の中で最も高くなっています。相談単価は2万円と3媒体で最も低い一方、受注率は9.5%と最も低く出ています。

この受注率の低さは、媒体の質そのものより分母の取り方によるところが大きいと見ています。相談はあっても打ち合わせまで組めないケースが多く、それらも分母に含まれているためです。実際に打ち合わせができたものだけで見ると、受注率は30%を超えていました。一方で受注単価は94万円と3媒体で最も高く、件数は少なくても利益は残りました。比較メディアを評価するときは「何件受注したか」だけでなく、どの単価帯の案件を受注できたかまで見る必要があります。

PENGINの運用では、商談化・受注までの歩留まりはWeb幹事より低かったものの、受注できた案件の金額が比較的大きく、結果として一定の投資対効果を確保できました。

Web幹事:1年間346万円の投下で1,600万円の受注

株式会社PENGINの公式YouTubeより引用したWeb幹事の活用効果

※上の3点はPENGINの社内資料(YouTube公開時のキャプチャ)です。画像内のROASは「受注額 ÷ 費用」で、本文の数値から再計算すると197.1% / 427.9% / 462.4% となり、画像の表記(197% / 438% / 464%)とは丸めの分だけ差があります。詳しい解説は元動画をご覧ください。

観測期間内の総受注額が最も大きかったのがWeb幹事です。ただし媒体ごとに投下期間も費用も違うため、媒体の性能順位を示すものではありません。

1年間で346万円を投下し、1,600万円の受注につながりました。投下額に対して約4.6倍の受注額です。相談単価は3.44万円、受注率は27.49%でした。紹介を受けた相談のうち8割程度は実際の商談につながっており、打ち合わせが組めないまま終わるケースが少なかったことが、受注率の高さにつながっています。

PENGINではWeb幹事経由の相談者は、比較的発注意向が明確で、商談に進みやすい傾向がありました。

ここで重要なのは、媒体そのものの力だけではありません。比較メディア経由の企業は複数社を同時に比較するため、比較されたときに選ばれる準備ができているかで成果が大きく変わります。

比較メディアで成果を出すために重要だった3つのこと

1. 自社サイトを作り込む

比較メディアから問い合わせが入っても、そのまま商談・受注が決まるわけではありません。発注企業は候補会社のWebサイトを確認し、実績、得意領域、支援内容、会社としての信頼性を比較します。

PENGINでは、事例・実績、サービス内容、コラムなどを継続的に整備してきました。比較メディアは単独で成果を出すチャネルではなく、自社サイトとセットで機能するチャネルだと考えています。

2. 提案資料を案件ごとに作る

比較メディア経由では、複数社が同じ案件に提案するケースが多くなります。そのため、会社紹介資料をそのまま提出するだけでは差別化しにくくなります。

PENGINでは、相手の事業・課題・依頼背景を踏まえ、案件ごとに提案内容を調整していました。比較メディアを「リード獲得施策」とだけ捉えるのではなく、提案プロセスまで含めて設計することが重要です。

3. 初回接触後のコミュニケーション量を確保する

初回ヒアリング、提案、フィードバック、再提案など、受注までの接点を意識的に増やすことも重要でした。

BtoBのWeb制作では、価格だけでなく「自社のことを理解してくれているか」「任せたあとに伴走してくれそうか」も判断材料になります。接点を増やすこと自体が目的ではありませんが、必要な情報を集めながら提案精度を高めることは受注率向上につながります。

3媒体を使ってわかったこと

今回のデータから、PENGINでは以下のように整理しています。

  • アイミツ:一定の受注は出たが、営業工数まで含めると採算性の判断が必要
  • 比較ビズ:商談単価は低かった一方、高単価案件の受注が成果に寄与
  • Web幹事:受注率・受注額ともに最も高く、PENGINとの相性が良かった

ただし、これはPENGINがWeb制作会社として運用した結果です。業種、商材単価、営業体制、提案力によって結果は変わります。

そのため「どの媒体が一番良いか」ではなく、自社にとって1商談・1受注をいくらまで許容できるかを決めたうえでテストすることをおすすめします。

比較メディアを始める前に決めておきたいKPI

比較メディアを評価するときは、リード件数だけでは不十分です。最低限、以下を追うと判断しやすくなります。

  1. リード数
  2. 商談数
  3. 商談単価
  4. 受注数
  5. 受注率
  6. 受注単価
  7. 受注額
  8. 営業工数

特にBtoBでは、リード単価が高く見えても受注率・受注単価が高ければ採算が合うケースがあります。逆に、リード単価が安くても営業工数だけ増えることがあります。最終的には受注まで計測することが重要です。

まとめ

PENGINでは、アイミツ・比較ビズ・Web幹事の3媒体を実際に運用しました。

その結果、Web幹事では1年間で346万円を投下し、1,600万円の受注につながりました。一方、他媒体でも受注は発生したものの、投下額に対する受注額や営業工数まで含めると、成果の出方は大きく異なりました。

比較メディアは、出稿するだけで受注が増える施策ではありません。自社サイト、事例、提案資料、営業プロセスまで含めて設計して初めて成果につながります。

比較メディアから流入した企業は、最終的に自社サイトや事例ページを見て発注先を比較します。PENGINでは、集客施策だけでなく、比較・検討時に選ばれるBtoBサイト設計まで支援しています。
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よくある質問

Q.比較メディアはBtoB企業でも有効ですか?

A.

有効なケースがあります。特に、発注ニーズが顕在化した企業と接点を持ちたい場合は検討対象になります。ただし、媒体との相性は商材・単価・営業体制によって異なるため、リード数だけでなく受注まで計測して判断する必要があります。

Q.比較メディアは何を基準に評価すべきですか?

A.

商談単価、受注率、受注単価、受注額、営業工数まで確認することをおすすめします。リード単価だけでは最終的な採算性を判断できません。

Q.比較メディアからの受注率を高めるにはどうすればよいですか?

A.

自社サイトの実績・サービス情報を充実させること、案件ごとに提案内容を調整すること、初回接触後のヒアリングと提案精度を高めることが重要です。

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